今回はこれらの商品についてご紹介します。

犬や猫、うさぎを対象にした専用のミネラルウォーター

犬や猫やうさぎ、ハムスターやハリネズミなどの哺乳類の「ミネラルによる結石症のリスク」についてはこれまでお伝えしてきたとおりですが、ペット専用ミネラルウォーターの成分はどうなっているのでしょうか?

では「ペット専用ミネラルウォーター」として市販されているものの中で比較的有名なものを見ていきましょう。

ペットの天然水 Vウォーター(アース・バイオケミカル株式会社)

アース・バイオケミカル ペットの天然水 Vウォーター 2000ml×6本 【ケース販売】

対象ペット 成分 分類 原水 硬度 pH 原産国
犬・猫 ナトリウム 3mg
マグネシウム 3mg
カリウム 1mg
カルシウム 8mg
バナジウム 16mg
ナチュラルミネラルウォーター 深井戸水 30mg(軟水) 8.0 日本

恐らくペット専用ミネラルウォーターの製造では最大手のアース・バイオケミカル株式会社の商品。 硬度は軟水の中ではどちらかというと低い部類で、しっかりと「ペット向け」を意識した商品です。

ミネラルウォーターの分類も「ナチュラルミネラルウォーター」となっており、安心しておすすめできる商品といえるでしょう。

https://www.earth-bio.co.jp/pet04f02s.html

ペットの純水 アクアプーラ(Y.K.エンタープライズ株式会社)

Acqua Pura(アクアプーラ) 2000ml×6本

対象ペット 成分 分類 原水 硬度 pH 原産国
犬・猫 純水 RO水 海水(高知県沖海洋深層水) 0 - 日本

ペットフードの輸入代理店などを営むY.K.エンタープライズ株式会社の製造するペット専用ミネラルウォーター。 海水を原水としたRO水でミネラルはほぼ0と、明らかに結石症を意識した商品となっているようです。

ただ、純水ともなるとほぼ完全な無味無臭のはずなので、犬や猫たちが「飲み物」として認識できるかどうかが問題となりそうです。

純水や蒸留水の飲用は人間でも「健康にいいか」が意見の割れているところで、

  • 体内の不純物を吸収し、排出できる

という「健康に良い派」の意見や、

  • 体内の必要な栄養素まで流してしまい下痢を起こす

という「健康に悪い派」の意見もさまざま。 確かにいえるのは「あまり味は良くない(完全な無味無臭で飲み込むのに抵抗がある)」ということでしょうか。

https://www.ykenterprise.co.jp/

ペットバランスウォーター 妖精のしずく(株式会社七彩)

新パッケージ ペットバランスウォーター妖精のしずく2L×6本 1ケース

対象ペット 成分(L) 分類 原水 硬度 pH 原産国
犬・猫・うさぎ・小動物 カルシウム 66.2mg
ナトリウム 20.8mg
マグネシウム 11.4mg
カリウム 5.9mg
天然湧水+自然ミネラル入活性水 北海道黒松内 212.2mg(硬水) - 日本

人用のミネラルウォーター「水彩の森」を手掛ける黒松内銘水株式会社の兄弟会社のミネラルウォーター。

ペット向けの飲用水として販売する上で「ミネラルが豊富」を売りにするというのは珍しいのではないでしょうか。 当然、ミネラルの摂取は結石症のリスクを引き上げるというのが現代の動物医学的な見識となりますので、あまりおすすめできない商品ではありますが……。 パッケージがかわいいだけに残念です。

https://shichisai.jp/

ペットの水 ピタリゲン(有限会社健康水本舗)

ペットの水・πウォーター(パイウォーター)ピタリゲン (2.0l×6本)

対象ペット 成分 分類 原水 硬度 pH 原産国
犬・猫・うさぎ・ハムスター カルシウム 12mg
ナトリウム 9.2mg
マグネシウム 4.1mg
カリウム 0.4mg
RO水(?) 海水抽出液 47mg(軟水) 7.9

「πウォーター」という独自の「水」を売りにした商品で、ペット用以外に人用のミネラルウォーターもあるようです。

元名古屋大学農学博士、山下昭治先生の30年にわたる生体システムの研究によって生まれたのがπウォーターです。

πウォーターは、見かけは普通の水と同じようですが、成分的にも、物性的にも普通の水とは異なり、多くの優れた違いをもっています。

成分的には各種ミネラルが、種類・量ともバランスよく含まれ、しかも吸収しやすい形となっています。 物性的には電気伝導率が低く、浸透性が高いという理想的な性質を持っています。

また、πウォーターは、水分子の集団(クラスター)が、普通の水に比べて約5分の1と小さいため、髪の毛や皮膚への浸透性に優れ、飲んだ場合でも、体内のすみずみへシッカリ行き渡るという特徴があります。

ACM社のπウォーターは、30年前から現在に至るまで、πウォーターの発見者である山下昭治博士にご指導をいただき、創られている我が国で唯一のπウォーターです。

同社以外に「πウォーター」について言及する機関がないため効能については判断の難しいところですが、ミネラルは比較的少ない軟水のためペットにも問題なく与えられるミネラルウォーターといえそうです。

https://www.pinet.co.jp/text/h_pet.html

ペットのおいしい天然水 アクティア(ジェックス株式会社)

ペットのおいしい天然水 アクティア 超軟水 2L×6本

対象ペット 成分 分類 原水 硬度 pH 原産国
犬・猫 カルシウム 4.7mg
ナトリウム 7.9mg
カリウム 1.2mg
マグネシウム 1.9mg
ナチュラルミネラルウォーター 岐阜県養老町 19mg(軟水) 7.0 日本

ナチュラルミネラルウォーターとしてはかなり珍しい低硬度19mgの「超軟水」を謳うミネラルウォーター。 ややお値段が張るところを除けば、ミネラルウォーターとしては非の打ち所もない商品といえるでしょう。

https://www.p-crystal.jp/aqtia.html

ペット「専用」は本当に安全?

「ペット専用」と聞くと「人間用のものよりしっかりとペットの身体に合わせて作られたもの」という印象がありませんか? 確かにしっかりとした商品であればそうかも知れません。

しかし、実際は「ペット向け」の飲食物の製造、販売は「人向け」のものよりはるかに規制が緩く、製造者側の「自主基準」に委ねられる場合がほとんど。 日本の法律上ペットは「モノ」として扱われているケースが多く、そのことから日本は「ペット後進国」と揶揄されることも少なくありません。

そのことから、場合によっては「厳しい人用の法的基準をクリアした商品」のほうが信頼できるということもままあります。 「法規制がないからすべての表示は嘘」とまではいえませんが、信頼できるブランド、メーカーを持つことや、飼い主さん自身がしっかりとした知識を持ち、安心できる商品を選び出せる審美眼を持つことが望まれます。

ミネラルウォーターではありませんが……

最後に、ミネラルウォーターではないものの「ペット用飲用水」としては極めて有名な「ペットスエット」をご紹介します。

ペットスエット(アース・バイオケミカル株式会社)

アース・バイオケミカル ペットスエット 2000ml×6本 【ケース販売】

  • ペットの体液に近い電解質組成で、水分、ミネラルをすばやく補給。
  • パントテン酸Ca配合で愛犬・愛猫の栄養補給。
  • オリゴ糖(ラクトスクロース)がお腹の環境を良好に保つ。
  • 愛犬、愛猫の喜ぶヨーグルト風味。

原材料・成分

  • 果糖ぶどう糖液糖
  • 食塩
  • ラクトスクロース
  • 塩化K
  • 香料
  • パントテン酸Ca
  • クエン酸
  • クエン酸Na
  • 甘味料(アセスルファムK)

Vウォーター」と同じくアース・バイオケミカル株式会社の商品。 ミネラルウォーターのような「水」ではなく、その名の通りペットのための「ポカリスエット」のような商品です。

今年の夏は、早くも例年以上の暑さを感じさせる猛暑続き。 熱中症で動物病院に運び込まれるペットの数も例年以上に増えていると聞きます。

こちらの熱中症対策情報のページで「ペット用特製スポーツドリンクレシピ」もご紹介していますので、その他の熱中症対策と合わせてぜひご活用ください。

飼い主さんともども、水分補給はくれぐれも徹底してくださいね。

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