本当は「キャバリア」じゃない「わんわん物語」のレディと「シュナ」じゃないトランプ

本当は「キャバリア」じゃない「わんわん物語」のレディと「シュナ」じゃないトランプ

実は、違うんです。
わたしもつい最近まで勘違いしていました。

今回は、レディの正しい犬種から「わんわん物語」誕生秘話までお伝えしていきます!

「わんわん物語」のあらすじ

ニューイングランドに住むディア家へ、クリスマスプレゼントとしてやってきたアメリンカン・コッカー・スパニエルの女の子「レディ」。
レディはディア夫妻からの愛情をたっぷり注がれて暮らしてきたが、あるとき夫妻に子供が生まれる。

レディは環境の変化に戸惑いつつも、赤ん坊を見守りながら暮らしていた。

そしてある日、夫妻は旅行に行くことになり、赤ん坊とレディの世話をするためやってきたシッターは、なんと犬嫌い! しかも猫好き!

思わず家を飛び出したレディは野良犬の「トランプ」と出会い――。

アメリンカン・コッカー・スパニエル

レディは「アメリンカン・コッカー・スパニエル」!

あらすじにもあるように、レディは「アメリンカン・コッカー・スパニエル」という犬種の女の子です。

ある日、ディズニーのスタッフだったジョーの家に招待されたウォルト・ディズニーは、ジョーの愛犬であるアメリンカン・コッカー・スパニエルとそのスケッチを目にしました。
このスケッチを気に入ったウォルトの提案で、ジョーはアメリンカン・コッカー・スパニエルを主人公にしたストーリーボードの制作を始めます。
これがのちの「わんわん物語」です。

アメリカン・コッカー・スパニエルとは?

アメリカン・コッカー・スパニエル

イギリスから輸入されアメリカに渡った、どこかとろんとした目とカーリーな毛並みが特徴の鳥猟犬種。
性格は社交的で食いしん坊。

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエルとは?

キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル

こちらもイギリス原産の、「キャバリア(騎士)」と「キング・チャールズ(イングランド王家の名)」といかにも神々しい名を持つ小型犬種。

こうしてみても、レディにしか見えない……。

パートナーの「トランプ」は?

レディと出会い恋に落ちる野良犬「トランプ」。
灰色の毛並と気品ある雰囲気はまさに「ミニチュア・シュナウザー」!
……いえ、雑種犬です。

確かによく見てみると、シュナウザーの特徴である「断尾(しっぽを切ること)」がされていないようです。

ちなみに、何の犬種が混ざっているかは明らかになっていませんが、テリア系が混ざっているという説が強く、特にその中でも「エアデール・テリア」ではないかという意見が多いです。

ミニチュア・シュナウザーとは?

ミニチュア・シュナウザー

ドイツ原産の狩猟犬。
日本ではテリアグループに籍を置くものの、テリアの血統はまったく入っていないのだとか。

エアデール・テリアとは?

エアデール・テリア

イギリスはエアデール原産、「テリアの王様」と称されるテリア犬種最大の大型犬種。
カワウソを狩猟する犬種であることから「水のテリア」とも。

「トランプ」の名前には色んな案が?

最終的に採用された「トランプ」という名前ですが、英語圏での「Tramp」は売春婦や浮浪者という意味もあり、反対の声も多かったそうです。
「ホーマー」や「ボーゾー」などの代案もあったものの、最終的にはウォルトが「トランプ」を貫く形となりました。

ちなみに残念な逸話として、日本で公開された当時の「わんわん物語」は原題の「Lady and the Tramp」を直訳して「貴婦人と浮浪者」と記載されています。

あの名シーン、実はウォルトは否定的だった!

「わんわん物語」最大の名シーンといえば、スパゲッティを食べているレディとトランプが偶然キスしてしまうあのシーン。
当初ウォルトは「犬がスパゲッティを食べる」という点に対して否定的でした。

しかし、作画監督フランク・トーマスが作成した見事なアニメーションを見たウォルトは考えを改め、無事名シーンは日の目を見ました。

そもそもストーリー自体もかなり揉めた?

ウォルトからのゴーサインを貰い、ディズニースタッフ達と本格的に「わんわん物語」を作り始めたジョー。

しかし、完成したストーリーボードはウォルトを満足させることが出来ずボツに。
「わんわん物語」の完成は危ぶまれていました。

試行錯誤を重ねること数年、ウォルトはついにウォード・グリーンの短編小説「Happy Dan, The Whistling Dog」に出会います。
小説に登場する「自由気ままに生きる犬」に活路を見出したウォルトは、すぐさまこのアイディアを「わんわん物語」に取り入れるようジョーに伝えました。

ただ、ジョーはこれを受け入れず、ついにはディズニー社を去ってしまいました。

そして原作はウォード・グリーンに

ジョーが去ったあと、ウォルトは短編小説の作者ウォード・グリーンに「わんわん物語」の原作を依頼。

1953年、こうして後のレディとトランプとなる2匹の犬を主人公にした「わんわん物語」の原型は出版されました。

長い年月から生まれた「わんわん物語」

1937年、ジョーにより原案が生まれ、ストーリーボードとして形になったのが6年後の1943年。
ウォード・グリーンにバトンが渡り、原作が出版されたのが16年の歳月を経た1953年。

1951年にアニメーション映画の制作が開始し、公開されたのが1955年6月。

実に18年もの時間とその分のドラマを積み重ねて生み出されたのが、私たちにもなじみ深いあの「わんわん物語」だったんです。

クリエイターたちのこだわりと執念が生んだ超大作「わんわん物語」

随分と長い物語がありましたが、レディは「アメリカン・コッカー・スパニエル」の女の子、トランプは「ミックス」の男の子です!

そして、その背景には想像もつかないようなたくさんのドラマと紆余曲折があります。
長い年月を感じながらぜひ観返してみてください!

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