ペットに毎日与える水、何を基準に選んでますか?

例えば、犬の身体の60~80%は水。 犬たちは毎日、体重の5倍以上の水を摂取して生きています。 多くの犬たちの主食は水分をほとんど含まないドライフードで、人のようにジュースやコーヒーも飲みません。 それはもちろん、猫も同じです。
つまり、必要なのは純粋な「水」。
そんなペットたちに与える水、ちゃんと選んでますか? 水道水? ミネラルウォーター? どちらも一長一短。正しい知識で選ばなければなりません。
「安いから水道水」という方や「塩素が心配だからミネラルウォーター」という方、どちらもいらっしゃると思います。 そして、しっかりメリットとデメリットを踏まえた上で選んでいるのなら、どちらでも大きな問題にはならないでしょう。
問題は「なんとなく」で与えている方。 予期せぬ自体に陥ってしまう前に、ぜひ正しい知識を持って毎日の水選びに役立ててください。
水道水のメリットとデメリットは?
水道水のメリットはなんといっても「安い」こと。 何年間も毎日与えるものですから重要な問題ですよね。
そして、もうひとつのメリットは塩素による消毒によってある程度の期間傷まないこと。 日本の水道局は世界的に見ても優秀ですから、あくまで「人の基準でみれば」ということにはなってしまいますが、高い安全性を誇っています。
一方、この消毒はデメリットにもなります。 水道水のもととなる水の一部は私たちの生活排水。 これをたくさんの工程を経て安全な水準にまで持っていくのですが、消毒の一環として用いられる塩素が生活排水の中の有機物と化学反応を起こし、「トリハロメタン」という発がん性物質に変わります。 東京水道局の見解では塩素もトリハロメタンもごく微量で「生涯摂取し続けても人体に影響はない」とのことですが、ペットたちは人より身体が小さく、ちょっとしたことでも影響を受けやすいものです。
もう一つのデメリットは、地域ごとに品質が異なること。 もちろん人が飲む分には問題ないといわれていますが、「ミネラル」の含有量に大きな差があり、具体的には*「九州地方」や「関東地方」の一部の地域では水道水のミネラル含有量が高く*、WHOの基準では「中硬水」に分類されるほどです。 人もそうですが、ペットたちは水に含まれる「鉱物性ミネラル」を体内で分解できません。 そして、これが体内のpH値が傾くことで結晶化すると「ストルバイト結石症(リン酸アンモニウムマグネシウム結石症)」や「シュウ酸カルシウム結石症」を発症する恐れがあります。
厳密には「リスクが高まる」ので必ずしも発症するわけではありませんが、知識としては押さえておきたいポイントです。
ミネラルウォーターのメリットとデメリットは?
ミネラルウォーターのメリットは何といっても「ミネラル」の含有量や成分が明記されていること。 これによって、しっかり内容を把握して犬や猫などのペットに優しい「軟水」を選ぶことができます。 もちろん、商品によっては*ミネラル含有量の多い「硬水」*もありますので、正しい知識を持って選択する必要があります。
そして、デメリットはやはりそのお値段と手間でしょうか。 水道水と比較するとどうしても費用は掛かってしまいますし、蛇口を捻ればいつでも好きなだけ、とは行きません。
ペットのいるご家庭には圧倒的に「ウォーターサーバー」がおすすめ!
ペットのためを思えば、また、万が一のことを考えるとやはり正しい知識でミネラルウォーターを選ぶことがおすすめです。 知識自体は基本的に「硬度」の数字を見ればいいだけなので問題ないのですが、費用と手間だけはどうにもなりません。
そこでおすすめしたいのが「ウォーターサーバー」です。 ウォーターサーバーとは、10リットル前後のミネラルォーターをボトルやポリ袋に入れたものと、温水や冷水を汲み出すことのできる給湯器がセットになったもの。 歯医者さんの待合室などでよく見かけますよね。
ここでウォーターサーバーをおすすめする理由についてもご説明します。
いつでも「お湯」が出せる
ウォーターサーバーを導入することで、体感としては「ミネラルウォーターの蛇口」が手に入ったようなもの。 さらに、お湯も自由に出せることから「お腹が冷えるので常温に調節したい」という場面でお湯を足してあげたり、「ドライフードをふやかしたい」というような場面でもボタン一つで対応できます。
いつでも手軽に使える
「蛇口のようなもの」ですから、リビングなどに設置することでキッチンまでの移動をなくし、毎日の水やりの手間を軽減できます。 手間がなくなることで水換えももっと気軽になり、いつでもキレイな水が飲める状態を維持できるようになります。
犬や猫、ウサギやハリネズミなどの哺乳類が「鉱物性ミネラル」を分解できず、摂取し続けると結石症のリスクが高まるというのは先述の通りですが、水分をあまり取らず、排泄を溜めてしまうことでも結石症のリスクが高まることはご存知でしょうか? これは膀胱内で尿が濃縮されたような状態となり、体内のpH値がアルカリ性に傾いてしまうことが原因なのですが、これもたくさん水分を摂ることで予防できます。
ペットボトルのミネラルウォーターより安いものも
費用面についてはメーカーによって異なるのですが、安価なものなら1リットル50円を切るものまであります。 ボトルの水がなくなっても、電話やインターネットで注文するだけで自宅まで配達してくれますので、ペットボトルのミネラルウォーターのようになくなるたび買いに走る必要もありません。
ほとんどがペットに優しい「軟水」
ペットに優しいのも間違いないのですが、日本人も古来より「軟水」を好むと言われていて、各種ウォーターサーバーメーカーも軟水に力を入れていることが多いです。 選択肢が増えるため、ペットのためはもちろん、自分の環境にあったものが選びやすいのも嬉しいですね。
ただし、デメリットも……
メリットばかりをお伝えしましたが、残念ながらデメリットも存在します。
場所をとる
メーカーによって異なりますが、多くのメーカーはボトル2~3つからの配達を行っている場合が多いようです。 ウォーターサーバー本体とは別に10リットル前後のボトルを複数置けるスペースを確保しなくてはならないため、おうちの広さによっては窮屈になってしまうかも知れません。
貯め置きは避けたほうが良いかも……
多くのウォーターサーバーは「天然水」と呼ばれる自然の水を使っているため、塩素での消毒などはありません。 これによって、水道水の感覚で「数日放置」してしまうと傷んでしまう可能性があります。 どうしても貯め置きが必要な場合は、その時だけ水道水を使うのがいいかも知れません。
まずはお手軽なペットボトルでお試し!
当サイトでは、「いきなりウォーターサーバーの契約は……」という方のために、数百円で気軽に試せるペットボトルのミネラルウォーターもご紹介しています。
犬や猫におすすめのミネラルウォーター5選+2 ペットボトル編
ぜひ試してみてくださいね。
- Updated on 2025.02.16
- published on 2016.06.22