しかし、そんなペットとの暮らしで増えてきたのが、動物が好きな人と動物が嫌いな人との間で起こるご近所トラブルです。

動物を好きな人ばかりではない

ペットと暮らしている人にとっては、動物はかけがえのないパートナー。

自分の心を癒してくれたり、笑顔にしてくれたり、時には家族の仲を取り持ったりもしてくれる存在です。 犬や猫をはじめとしたペットという存在は、今や私たちの暮らしになくてはならないものと言っても過言ではありません。

しかし、世の中にはそんなペットたちを苦手とする人がいることを私たち飼い主は意識しなければいけません。

なぜ動物が嫌いなのだろう?

動物が好きな人からすれば、

「動物が嫌いだなんてもったいない!」 「動物も人と同じく命あるものなのだから毛嫌いしないでほしい……」

と考えることでしょう。 けれど、相手も同じく、

「動物が怖い」 「なんで動物なんかと一緒に暮らしているの?」

と考えているかもしれません。

動物が好きな人は、なぜ動物が嫌いな人がそう考えるに至った理由や背景があるのかをまずは考えてみませんか?

動物嫌いな人が動物を嫌いな理由

動物が嫌いな人にとって、私たちと一緒に暮らすペットを忌避する理由はいくつかあります。

  • 動物の毛や唾液などの体液、排泄物が不衛生に感じる
  • 動物に嫌な気持ちにさせられたり、攻撃を受けて怖い思いをしたことからトラウマになっている
  • 動物を飼っている飼い主との間に嫌な思い出がある
  • 特定の動物に対してアレルギーがある

実は私も小学生くらいまでは動物が大の苦手でした。

当時、まだ小学生で体格も小さかった頃、友人の家で飼われていたラブラドール・レトリバーに飛びつかれ、追いかけられたことから「犬って怖い……」とトラウマになってしまいました。

それが犬好きに変わるきっかけになったのは、その犬がプロのトレーナーの元でしつけの訓練を受け、飛びついたり追いかけたりすることをせず、落ち着きのある犬になったこと! それから「良い子」になったその子に少しずつ触れるようになり、今では動物を相手に仕事をしています。

動物嫌いな人とも同じ社会で暮らしていく

アレルギーがあったり、動物と過ごすことで体調が悪化してしまう人であれば、無理に一緒に過ごすことはできません。 そんな時は、その人から動物を避けられるようにするのが飼い主の義務です。

そういった「動物と過ごすことができない人」は別にして「動物嫌いだから一緒に過ごしたくない人*」と同じ社会で一緒に暮らす時に大切なことは、動物嫌いな人も尊重する**ということ。

「嫌い」という感情をなくすことはなかなかできないかもしれません。 しかし、飼い主が精一杯配慮することで、動物嫌いな人でも「動物がご近所にいても良いかな」という気持ちがわいてきたり、私のような動物好きに変わる可能性もゼロではないのです!

動物嫌いな人と出会う可能性のある外出時は配慮しよう

では、飼い主である自分自身はどんな場面で何に気をつければ良いのでしょうか? ペットを飼っていてトラブルになることが圧倒的に多いのがお散歩の時です!

公共の場に出るということは、動物に対していろいろな感情を持つ他の人と出会うということを意識しましょう。 動物嫌いな人が「嫌だな」「不衛生だな」とマイナスな感情に駆られるのは、ペットやその飼い主の行動を外で見かける時に圧倒的に多いのです。

例えば、

  • 自分が経営する店舗(特に飲食店)や、暮らしている住宅の前で排泄をされて不衛生で嫌だった
  • 近くを歩いていただけなのに吠えられたり唸られてうるさかった・怖かった
  • 急に動物が近寄ってきて自分に接触してきて怖かった
  • 急に動物から攻撃を受けてケガをした

といったトラブルがあげられます。 こういった事態を避けるために、お散歩時に配慮できることをもう少し詳しくお話しします。

お散歩時の排泄は避ける

お散歩でペットを外に連れて行った時に、外で排泄することを当たり前にしている飼い主さんは多いでしょう。 そんな時、フンは拾って持ち帰ったり、排尿した後に水で流して綺麗にしているよ! と考えている飼い主さんもたくさんいるはず。

しかし、動物および動物の排泄物を不衛生だと思っている人にとっては、「それでは不十分」と言わざるを得ません。 尿を水で流したつもりでも、たくさんの水を使用しないと流しきれず地面に残りますし、残った排泄物は、敏感な人には臭いとして感じてしまうでしょう。 極端なことをいうと、自分の暮らしている領域で、排泄する姿を見るのも不衛生で許容したくない……という人も多いのです。

それがようやく持てた自分の飲食店だったり、念願のマイホームの前だとなおさらです。 飼い主である私たちがペットの排泄に関して他の人に配慮することが、地域の環境を守るためにも大切なこととなります。

お散歩時はバッグの中にペットシーツを複数枚入れておき、ペットが排泄しようとする仕草を見かけたらすかさず排泄物をキャッチしましょう! 地面にできる限り排泄物を落とさないことを意識します。

また、ベストなのはお散歩を排泄の時間にするのではなく、ペットの「気分転換・楽しみ・運動の時間」に切り替えてあげること! お散歩中に「おすわり」や「待て」のトレーニングも一緒に行うと、ペットの脳を刺激する「考える時間」が増えて良いお勉強タイムになります。

排泄は室内で行うようトレーニングしていきましょう。

ペットが他の人に過剰に反応しないように

ペットとのお散歩の時間を快適にするためには、なぜ飼い主さん以外の人に吠えたり威嚇したりするのか、その原因を探ることが大切です。

  • 見慣れない物や人に対して怖いから近づかないで! という警告
  • 遊んでほしい! かまってほしいというアピール
  • 飼い主さんや自分を守るため闘おうとしている

他にも状況によって千差万別ですが、ポイントは他の人が近くにいてもすぐに飼い主さんに意識を向けることができるようにしておくこと。 また、幼い頃からいろいろな人や物に触れて経験値を積んでおき、「見慣れない怖いもの」を減らしておくことです。

吠える、威嚇するといった行動が飼い主さん1人では対処できない状況であれば、早めにプロのドッグトレーナーさんに相談することをお勧めします。

ペットだけでなく、飼い主さん自身の行動も見直す

お散歩中のトラブルを回避するには、ペットの行動だけではなく飼い主さん自身がペットをコントロールする力も試されます。

  • ペットが通りがかりの人に反応しようとした時には、すぐに声をかけて自分に意識を向かせる
  • お散歩時にはペットは自分のすぐ隣を歩かせる
  • リードは短く持つ。ノーリードは厳禁!
  • お散歩バッグの中には、お掃除道具をそろえておく

歩行中にペットをコントロールすることは、他の人への配慮だけでなく、ペットが自転車と衝突事故を起こしたり、自動車の前に飛び出してしまったりといった交通事故を防ぐことにも繋がります。 せっかくの楽しい時間に悲しい事故を起こさないように、お散歩時には飼い主さんがしっかりペットに意識を向けてあげましょう!

動物が好きな人も嫌いな人もお互いを尊重しあう社会を

動物が好きな人も嫌いな人も、お互いに嫌な気持ちになりたいと思っている人はいないはず。 また、同じ動物が好きな人同士でも「あの飼い主さんマナーが良くないな……」と思えばトラブルになったり、お互いを嫌い合ってしまうこともあります。

ペットと暮らしている人はその行動が自分にとっては当たり前でも他の人にとっては当たり前ではないということを改めて考え、ペット自身の行動・飼い主としての自分自身の行動を見直してみると良いかもしれません。

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