ミックス犬と雑種犬の違いとは? 健康リスクや繁殖の実態

最近では、ペットショップの店頭でも高額なミックス犬やミックス猫を目にすることが増えました。
ミックスは体が丈夫、頭がいい、個性的で可愛いと評される一方で、さまざまな問題を抱えてもいます。
今回は、ペット業界におけるミックス犬・ミックス猫の現状について考えてみましょう。
ミックス犬の賛否は?
古くから犬や猫の品種改良は行われてきました。
多くの場合、新しい犬種の誕生や小型化や性格の安定化など「改良」を目的として交配が行われます。
しかし、近年のミックス犬ブームの背景には、希少であること、可愛らしさ、小ささを強く求める傾向があり、必ずしも健康や犬種の特性を考慮した交配とは限りません。
「ミックスだから体が丈夫」「ミックスだからかしこい」といった定説も当てはまらなくなってきています。
純血種同士の交配であっても、遺伝的な疾患や特性は引き継がれるため、単純に「ミックスだから良い」と思考停止せず、それぞれの犬の健康状態や性格を見極めることが重要です。
一大ブームを巻き起こした「チワックス」のその後
ミックス犬ブームの火付け役ともいえるチワワとダックスフンドのミックス犬「チワックス」。
小さなダックスのような姿、大きな瞳を持つ立ち耳のタイプ、骨太でたれ耳のタイプなど、さまざまなバリエーションが生み出されました。
しかし、チワワとダックスフンドでは、本来の体型が大きく異なります。
チワワの華奢な足にダックスの重量感ある胴体を持つ個体も多く、成長とともに体型がアンバランスになりやすい傾向にあります。
特に肥満になると重度の椎間板ヘルニアを発症しやすく、深刻な健康問題に直面するケースが増えています。
まず、チワックス誕生の背景には、チワワとダックスの爆発的な人気によるブリーダーの増加があります。
しかし、ブームが落ち着くと純血種の売れ行きが低迷し、新たな市場を作るためにミックス犬が生み出されました。
つまり、犬種の向上を目的とした交配ではなく、売り上げを重視した繁殖といえるでしょう。
SNSのバズ狙いで増加する危険なミックス犬
近年ではSNSで話題になることを目的に、危険な組み合わせのミックス犬が誕生するケースもみられます。
「パグと柴犬」「パグとダックス」「コーギーとダックス」「ダックスとプードル」など、犬の特性や体格を無視した交配が行われています。
子犬のころは見た目が可愛らしくても、成長とともに体型のアンバランスさや健康問題が表面化することも少なくありません。
たとえば、
- パグと柴犬
- 鼻の短いパグと鼻の長い柴犬を掛け合わせた場合、呼吸器系に問題が生じる可能性が高まります。
- ダックスとコーギー
- どちらも胴長短足の犬種ですが、骨格のバランスが悪くなることで関節疾患のリスクが高まります。
このような無計画な繁殖は、動物の健康や福祉を考慮しているとはいえないのではないでしょうか。
可愛いからといって安易にミックス犬を求めるのではなく、それぞれの犬種の特性や健康面を理解することが大切です。
ミックス犬の健康リスクまとめ
ミックス犬・ミックス猫には、それぞれ個性的な魅力があります。
しかし、安易な交配や商業目的の繁殖が増えることで、健康上のリスクが高まることも事実です。
*動物を迎える際には、見た目の可愛さだけでなく、健康面や性格、将来的なケアまでしっかり考慮することが大切です。
*私たちが正しい知識を持ち、慎重に選択することで、ペット業界の在り方もより良いものに変わっていくでしょう。
- Updated on 2025.03.21
- published on 2025.03.21