犬の身体は60~80%が水。 1日に必要な水分量は、

体重(kg)× 50~60ml

といわれていて、小型犬なら「500~600ml」程度、中型犬なら「660~1500ml」程度、大型犬なら「1300~2640ml」程度の水が必要となります。 そして、犬の主食はほとんど水分を含まないドライフード。 人と違ってジュースやコーヒーも飲まないので、これらすべてを「水」で摂らなければなりません。

また、犬の身体は人と比べると小さいため、ほんの少し水分を取らなかっただけでもすぐに影響が現れます。

水を飲まないことで起こる危険

代表的なものでは「脱水症状」がありますが、もちろんそれだけではありません。 まず、水分を取らないことで排泄も滞り、老廃物は血中に蓄積するようになります。 これだけで「尿毒症」や「膀胱炎」「結石」「腎臓病」などの危険性が高まります。 さらに、血の巡りが悪くなることで体内の電解質やホルモン、たんぱく質、酸素などは正常に循環しなくなり「手足のしびれ」、もっと酷くなると「痙攣」や「昏睡」などをさまざまな症状を引き起こします。

そして身体の抵抗力は下がり、他の病気を呼びこむ原因にもなりかねません。

あまり水飲んでないかも……

これほどまでに重要な水ですが、もちろん無理やり飲ませるわけにはいきません。 それに、健康な犬なら身体が必要としているのに水を飲まないというようなことはありません。 もし愛犬があまり水を飲んでいないことに気付いたら、以下のような状態を疑いましょう。

排泄ができない

散歩などの十分な排泄の時間が取られておらず、例えばケージの中などで大半の時間を過ごす場合、犬たちは生活空間にあるトイレが不衛生な状態になるのを嫌い、排泄を減らそうとします。

そうするとごはんや水をあまり摂らなくなり、次第に弱っていく結果に……。 愛犬が過ごす環境は清潔に保ちましょう。

夏バテ

人もそうですが、夏バテによってごはんや水をあまり取らなくなる犬もいます。 犬は人と違い、汗を流しての体温調節ができないため温度の管理を徹底しましょう。

老犬

年をとると犬たちもあまり積極的にごはんや水を摂らなくなります。 この場合は自然なことなので過度の心配は不要ですが、あまりに水分が足りていないと感じたら湿らせた布などで口の周りを拭いてあげましょう

他にも

その他にも、運動量の不足や気温の低下で代謝が低下している場合や、ウェットフードを与えている場合などはあまり水は摂らなくなります。

衛生的な環境で健康的に過ごしてさえいれば、犬たちはきちんと自分で管理するため、それほど神経質になる必要なありません。

水の飲み過ぎは……?

水をしっかりとらないと起こる病気や症状をご紹介いたしましたが、実は犬たちにとっては「水の飲み過ぎ」のほうが問題のケースも。 「健康的な犬なら自分の体調は管理できる」というのは間違いなく、基本的には犬たちの家を清潔に保ち、好きなときに水が飲めるようにしておけば問題ないのですが、例えば「糖尿病」を患った犬は水をがぶ飲みしはじめるという特徴があります。 その他にも「肝臓病」「腎臓病」「副腎皮質機能亢進症」など、愛犬が水を「飲み過ぎている」場合は注意が必要かも知れません。

ご自宅の愛犬が「しっかり水を飲んでいるか」、そして「飲み過ぎていないか」ぜひ一度観察してみてください。

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