犬と人間は長い歴史を振り返ってみても共に生活してきた家族に違いありませんが、残念ながら違う生き物です。 人間にとっては有益な食べ物も、犬にとっては一変、危険な食べ物となりえます。
犬と人間は長い歴史を振り返ってみても共に生活してきた家族に違いありませんが、残念ながら違う生き物です。 人間にとっては有益な食べ物も、犬にとっては一変、危険な食べ物となりえます。
同じ屋根の下で生活する上で、誤って食べてしまったり、与えてしまうと危険な食べ物をご紹介いたします。
昔から犬に与えては行けない食品として特に有名なのが、この「ねぎ類」の食品。 ねぎに含まれる「アリルプロピルジスフィド」という有機硫黄化合物を分解するための酵素が犬にはないため、赤血球(ヘモグロビン)が破壊され溶血性貧血を引き起こします。
中毒が起こる摂取量の目安として体重1kgあたり15~20gといわれており、5kgの成犬の場合は75g~100g(たまねぎ約半分~2/3程度)。
その他にも、ねぎが材料となる「コンソメ」や、ねぎを煮込んだ汁物(すき焼き等)も危険です。
犬がねぎ類を食べてしまってもすぐに症状はでません。 中毒症状がでるのは早くて10時間後、通常は2~5日後で、
等の症状が現れます。 誤って食べてしまった場合はすぐに吐き出させるか、動物病院に連れて行きましょう。
[point]## 犬に吐き出させるには?
お湯と食塩で高濃度の食塩水を作り、犬の口を押さえて流しこむように飲ませると飲み込んだものを吐き出します。 吐き出したあとは必ずたくさん水を飲ませて落ち着かせてあげましょう。
小型犬の場合1~2ml(小さじ1/3杯程度)、大型犬の場合3~5ml(小さじ2/3~1杯程度)のオキシドールを飲ませ、15分ほど様子を見ます。 吐き出さない場合は2、3回ほど繰り返しましょう
これらはあくまで応急処置です。 吐き出した場合も吐き出さない場合もすぐに動物病院へ連れて行き、専門家の意見を仰ぎましょう。
こちらのチョコレートも昔からよく知られる代表的な「犬に与えてはいけない食品」ですが、近年でもチョコレート中毒での死亡事例は珍しくありません。 チョコレートに含まれる「テオブロミン」が心臓血管や中枢神経に作用し、最悪の場合、急性心不全を起こし死に至ります。
体重1kgあたりテオブロミン100~200mgが致死量といわれており、チョコレートでいえば50g~100g程度(板チョコ1~2枚程度)が致死量です。
また、「カフェイン」に含まれる「テオグロシン」にも「テオブロミン」とよく似た作用があるため、
にも同様に注意してください。
誤ってチョコレート類を食べてしまった場合、通常6~12時間以内に、
等の症状が現れます。 たまねぎ中毒の時と同じくすぐに吐き出させるか、動物病院に連れて行きましょう。
詳しい因果関係はまだ解明されていませんが、ぶどうや干しぶどう、レーズンも有害と認められています。
危険な摂取量の目安は、体重1kgに対してぶどう32g(巨峰では2粒程度)。 また、ぶどうの「皮」も同様に危険です。
ぶどう中毒が起こった場合、2~3時間後に、
等の症状が現れる場合があります。 アメリカの調査機関が行った臨床実験により危険性が立証されてはいますがかなり個体差があり、全く何の影響も見られなかったケースもあれば死に至ったケースもあるとのこと。
日頃からぶどうを与えていて問題がない場合は大丈夫かも知れませんが、もし誤って食べてしまった場合、不安な場合は動物病院に相談するのがいいでしょう。
ぶどうと同じく、詳しい因果関係は解明されていないものの危険とされているのが「マカダミアナッツ」。
また、同じナッツ類の「ピーナッツ」も消化が悪く、高カロリー、油分過多に加え、マグネシウムを多く含むため結石を引き起こす危険性があると言われています。
ナッツ中毒が起こった場合、
等の症状が起こると言われています。 ぶどう中毒同様、個体差があるようなので愛犬の様子を見ながら適切な対処を心がけましょう。
こちらも最近になって発表された危険な食品「キシリトール」。 たとえ少量でも摂取してしまった場合、30分以内に症状がでる危険性があります。
体重9kgの犬でも2~3枚のキシリトールガムの摂取で致死量となるとの報告もあり、
等の症状が見られます。 30分以内と発症が早いため、迅速に吐き出させ、動物病院に急ぎましょう。
生肉、特に豚肉には「トキソプラズマ」という原虫が、鶏肉には「サルモネラ菌」が潜んでいる場合があり危険です。
健康な成犬であれば問題ない場合もありますが、子犬の時や免疫力が落ちている時は注意が必要です。 また、加熱していても鶏肉の骨は喉に刺さりやすいため注意してください。
たとえば、鎮痛剤に含まれる「アセトアミノフェン」や「イブプロフェン」はわずか1錠でも犬にとっての致命傷となりえます。 アメリカ国内におけるペットの死亡事故の原因第一位がこの「医薬品の誤飲」だそうです。
症状は多岐にわたり、飲んでしまった薬によっても対処法はかわるため、すぐに動物病院に連れて行きましょう。
わさびやからし等の人間用の調味料、刺激物は犬の胃・肝臓・腎臓に予想以上の悪影響を与えます。 「感覚麻痺」等の症状を引き起こす危険性があるため、与えないようにしましょう。
ここでは「犬に与えてはいけない食べ物」として比較的有名なもの、誤って食べてしまいがちな、日本の食卓に馴染み深いものを紹介しましたが、たとえば最近になって健康志向のドッグフードでも人気の「アボカド」も危険とする調査結果が発表されたりもしています。
ぶどうやナッツのような「個体差」の話もあり、健やかなる犬の暮らしのためには、常に飼い主が目を光らせ、アンテナを張り巡らせておくしかないかも知れませんね。 そして何かあった場合、不安なときはすぐに専門家である獣医・動物病院に相談しましょう。