トリミング中の事故。 あってはならないことですが、現実には起こってしまうのが事故です。
トリマーは飼い主さんから犬をお預かりしトリミングするとき、どのようなことに注意したらいいのでしょうか。 また、飼い主さんはトリミングを依頼する時どのようなことに注意したらいいのでしょうか。 様々な事故の事例から気をつけたいことを確認していきましょう。
ペットサロンではトリミングをする際にトリミング台を使用することがほとんどですが、この台から転落したり、飛び降りてしまったりして、骨折や打撲を負うことがあります。
これを防ぐためにトリミング台の上でリードなどを併用することもあるのですが、「見た目が首吊りみたいで縁起が悪い」と嫌う飼い主さんも多いそうです。
また、残念なことですが本来は事故を防ぐための目的で使用されるリードも、飛び降りた際に首をつった状態になってしまい、死亡に繋がることもあります。
そもそも犬は高い所を嫌います。 トリミング台に載せられると怖くてじっと固まっている犬が多く、その状態を利用してトリミングを行っている部分もあります。
ただし、例外的に恐怖でパニックを起こして暴れるてしまう犬や、高いところの危険性を理解しておらず無防備に飛び降りてしまう犬もいます。 「台の上に乗せている間は絶対に目を離さない」ことを強く心がけましょう。
知らない場所、知らない人は犬にとっては非常にストレスです。 トリミングされることさえ、嫌なことをされていると感じているかも知れません。
場所見知り、人見知りがあるようであれば、初めはブラッシングだけ、爪切りだけというように何度か通って慣れさせるのも手です。
犬が被害を受ける例を上げましたが、トリミング中に噛まれて大きな事故に繋がってしまうこともあります。
人間は「綺麗にしたい」「可愛くしたい」という思いからトリミングするわけですが、犬にとってはストレスになっているかも知れません。
口輪などで対策をすることもできますが、自分で口輪を外してしまう犬もいるので注意が必要です。
トリマーはトリミング中に噛まれても大抵の場合飼い主さんに報告をしません。 しかし、中には業務に支障が出るほどの怪我を負うこともあります。
噛み癖のある犬の場合は飼い主さんも予約時に伝えるように心がけましょう。
一旦お預かりしたもののどうしても手がつけられない……、そんな時は思い切ってお断りすることも大切です。 噛み癖がひどい場合や病気がある、ワクチン接種を受けていない等の場合、飼い主さんに説明の上対応を協議するようにしたいものです。
飼い主さんもトリマーも、怪我をしたい、させたいわけでは決してありません。 それでも些細な不注意から大きな事故に繋がることもあります。
どうしたら事故は防ぐことができるのか。 慣れてしまって油断していないか。 常にその気持を忘れないように犬に向かいたいものです。
また飼い主さんもきちんとしつけを行い、噛まない、暴れないといった指示を守れるように日頃から訓練したいですね。