トリミングに慣れたプロのトリマーでも、相手が生き物である以上、失敗することはあります。
また、失敗にも「初心者だから」というケースもあれば「慣れからつい油断して」というものもあるでしょう。 取り返しのつくものであればいいのですが、時には飼い主さんからのクレームに繋がることも。 お店の信用を失うようなことになっては困りますし、何より犬に嫌な思いをさせたくありませんよね。
今回はそんなトラブルを避けるためにも、ありがちな失敗について考えてみましょう。
忙しい時期は次から次へとシャンプーをしていくことになるのですが、この時気をつけたいのが洗い残し、流し残し。 特に忘れがちなのは耳です。 中にはシャンプーが綺麗に流しきれていないままだったことで皮膚炎を起こしてしまう例もあるようです。
すすぎは十分に、しっかりとを心がけましょう。
室内飼いの長毛種に必須といえる足裏のカット。
そのままだとフローリングで滑ってしまったり、お散歩で汚れやすいのでカットしている方がほとんどではないでしょうか。 この足裏カット、肉球の間を軽く開いて部分用バリカンを使用するのですが、深く掘ってしまうと肉球と肉球の間にある筋を傷つけることになってしまうことも。
あくまでも表面だけで、軽く毛を刈るイメージでカットすることが大切です。
足裏と合わせて足回りのカットも行いますが、この時に気をつけたいのがかかとのあたりにあるかくれ肉球。 自宅でセルフカットする飼い主さんも、あらかじめ位置を確認した上でシザーを使うようにしましょう。
また、カットする際は一度にたくさん切るのではなく少しずつ切ることが大切です。 仕上がりを綺麗な丸みを持たせるために、また形がいびつにならないように全体のバランスを見ながらカットしましょう。
片足のカットが終わって反対の足をカットする時は、カット済みの片足と比較しながら作業を進めてくださいね。 あれ、切りすぎたから反対側も……、を繰り返してどんどんカットしちゃうなんてマンガのようなことにならないように気をつけたいです。
被毛のもつれ、毛玉と格闘していたら、嫌がる犬の思わぬ反撃が。 トリマーの方なら一度は経験があるのではないでしょうか。
この時、ハサミを持った状態で慌ててしまい、皮膚を傷つけてしまうという失敗も多いそうです。 また、噛まれそうになるのを避けながら作業してたらつい切りすぎてしまった!なんていうことがないように十分注意しましょう。
噛み犬についてはペットサロンでもお断りしているケースが多いそうですが、どうしても対応しないといけない場合は、口輪などで万全の準備を整えて、最低限だけを迅速に済ませるよう心がけましょう。
ただし、犬にとっても興奮状態のストレスは大きな負担。難しい場合は、断ることも勇気です。 育った環境や飼い主さんのしつけの問題もあるため、「私が未熟だから」と自分を責めないでくださいね。
先述の通り、相手が感情を持った生き物である以上、どんな予想外の事態も起こりえます。 大切な犬を怪我さしせてしまっては大変ですし、一度痛い思いをすると、次からペットサロンへ向かう事自体を嫌がるようになることもあります。
手におえない場合は自宅トリミングにこだわらず、プロの手を借りるのもいいのではないでしょうか。 その際に、自宅での対処などを相談できるトリマーさんに出会えると素敵ですね。
また、慣れてきたときこそ初心を忘れないように、いつも気を配ってトリミングしたいですね。