散歩のときに注意すること

ここでは散歩の際に注意することや見落としがちな危険ポイントをシチュエーションごとにご紹介します。

暑い日の散歩は危険! 時間をずらして熱中症対策

犬は地面の近くを歩いていますので、体感温度が人と違います。 アスファルトの地面は熱を吸収するため熱くなりやすく、マンホールなどの金属は鉄板さながらの高温になることも。

人が暑いと感じる気温なら体温調節の苦手な犬にとって砂漠を歩くくらい苦行となりますので、暑い時間の散歩は控えましょう。 日が昇る頃や、沈む頃の涼しい時間帯の散歩がおすすめです。

雨に日の散歩で注意すること

意外と見落とされているのが「水たまりの危険性」。 雨の日は水たまりができ、細菌やウイルスを含んだ他の犬の排泄物や人が破棄した薬品等が溶け出ている可能性があります。 もしこの水が鼻についたり、足裏について舐めたりしてしまうと病気に感染する恐れも。

飼い主は犬の動きをしっかり見てあげて、病原体がいそうな場所から遠ざけなければなりません。 雨の日は散歩を中止し、室内で遊んであげるのも手ですね。

散歩に行く時間はランダムに!

散歩に行く時間を決めてしまうと、犬はその時間を覚えます。 その結果、散歩の時間になると催促のために吠えるなど、問題行動につながることも。 散歩はできるだけ規則性のないランダムな時間にして、飼い主主導になるようにするのがいいでしょう。

ただし、無駄吠えなどしつけが済んでいる場合は、気にする必要はないかも知れません。

散歩コースは事前のチェックが重要!

人にとっては無害でも、犬にとっては大変危険なものがあります。 例えば、キンポウゲ科、ツツジ科、トウダイグサ科、ナス科、バラ科、ユリ科の植物などは犬が間違って口に入れてしまうと死んでしまう危険性も。

また、野球場やサッカー場などのスポーツ施設や、ドッグランなどでも使われる人工芝の下に敷き詰めるクッション材には「タイヤの廃材などを細かく砕いたもの」が使われているケースが多く、これに含まれる「カーボンブラック」という素材は発ガン性があると言われています。 口に入れてしまうのはもちろんアウトですが、細かい欠片が空気中を舞う場合などもあり、地面の近くにいる犬は要注意です。

その他にも、同じ散歩コースに吠えたりするような縄張り意識の強い犬がいる場合や、拾い食いの可能性があるごみ収集所の近くは避けるようにする工夫も必要です。 事前のチェックでしっかり確認しておきましょう。

散歩の量はどのくらい?

犬の体格によって必要な運動量が違います。 大まかな目安ですが、1日2回の散歩の場合、小型犬なら1回20~30分、大型犬なら1回30~60分が理想です。 「大型犬を飼ったけど散歩の時間が取れない……」というような状況では犬にとって運動不足となり、ストレスを溜めてしまいます。 犬を飼う際はしっかり考慮して犬種を考えましょう。

ただし、1歳未満の成長期の犬は散歩に行き過ぎると逆に危険。 成長途中の骨に負荷がかかり過ぎると成長を阻害することがあるため注意しましょう。

また、妊娠中の犬や老犬、骨・関節に病気のある犬の散歩は、様子をよく確認しながら慎重に行くようにしましょう。

リーダーウォークとリードのJシェイプ

リーダーウォークとは、犬が飼い主に寄り添うように飼い主のペースで歩くこと。 飼い主のペースも守らず犬が好き勝手に動き回ってしまうと、拾い食いをしたり、他の犬や人への飛び掛かかるなどの事故につながることがあり、大変危険です。

また、似た言葉に「リードのJシェイプ」というものがあります。 犬がリーダーウォークを守らず、飼い主が引きづられるような形になると犬の首は圧迫され、「気管虚脱」という呼吸困難な状態に陥ってしまうことがあります。 これからの暑い季節や小型犬は特に注意が必要です。

また、ハーネスの場合でも関節に負荷がかかってしまい、成長に支障をきたすケースも。 リードなしでも問題なく散歩できるような信頼関係を築くことが理想的ですね。

散歩に必要なもの

首輪 or ハーネスとリード

首輪かハーネス、リードは必ず必要です。 リードをつけずに散歩している人を見かけることがありますが、犬は動くものに反応し道路へ飛び出したり、迷子になったり、通行人に飛びつき怪我をさせてしまうかもしれません。 リードと首輪は犬を束縛するものではなく、犬の安全を確保するためのもので、飼い主の責任でもあります。

また、引っ張り癖がある犬は、首輪よりもハーネスの方がやや体への負担が少なくなります。 首輪をつけて無理にリードを引っ張ると甲状腺、首、脳などさまざまな器官に負担がかかるだけでなく、眼圧の上昇を招いて緑内障を誘発するリスクが高まります。

ビニール袋とティッシュペーパー

排泄物を放置するのは非常識です。 ビニール袋、ティッシュなどを用意しておくのが飼い主としてのマナーです。

携帯用の水

散歩中の犬は体温が上がり、ハーハーと呼吸が荒くなることも。 犬はこの呼吸で口の中の水分を蒸発させることで体温調節をしています。 散歩中はこまめに水分補給をしてあげましょう。

また、排泄したあとをキレイに洗い流すのにも使えます。

迷子札・マイクロチップ

迷子になってしまった時に備えて、迷子札やマイクロチップなど、犬や飼い主の情報がわかるようにしておきましょう。 迷子以外にも、飼い主の急病時にも、飼い主の情報がわかりやすくなります。

意外と奥が深い犬の散歩

なにげなく行っている犬の散歩、しっかりと犬のことを考えたものだったでしょうか? 愛犬との毎日のコミュニケーションの時間ですから、しっかりとした知識を身につけ、一緒に楽しめるようにしたいですね。

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