犬との生活に憧れて、いざ飼ってみたら犬アレルギーだった! なんて話を聞いたことはありませんか?
犬アレルギーは体質的な問題なので、完全に治療することは難しいといわれています。 そのまま無理に我慢したり放置してしまうと、さらに悪化、重症化してしまうケースも多々あります。
犬との生活に憧れて、いざ飼ってみたら犬アレルギーだった! なんて話を聞いたことはありませんか?
犬アレルギーは体質的な問題なので、完全に治療することは難しいといわれています。 そのまま無理に我慢したり放置してしまうと、さらに悪化、重症化してしまうケースも多々あります。
ですが、軽度の場合、きちんとした対処法を学ぶことで犬との生活も夢ではありません。
今回は犬アレルギーの症状、原因、対策についてご紹介します。
犬と接した時や犬と同じ空間にいる時などに過剰な免疫反応が起こることを犬アレルギーといいます。
犬アレルギーの原因は犬の体内で生成されるアレルゲンで、現在確認されている犬アレルゲンはなんと全7種類。 その中でも「Can f1」というアレルゲンが犬アレルギーの原因となることが多く、犬の毛、フケ、唾液、尿などに多く含まれています。
犬アレルギーの症状には段階があります。 初期症状は咳、鼻のムズムズ感、鼻水など軽い風邪のような症状。 ただし、風邪とは違い発熱と倦怠感はありません。
そこから症状が進むと目のかゆみ、充血、腫れやじんましん、湿疹などの症状が出てきます。 特に湿疹は粘膜部分に発生することもあり、呼吸困難を招く可能性もあるので危険です。
さらに症状が悪化すると呼吸困難、嚥下困難、動悸、下痢、めまい、嘔吐などさまざまな症状が出てくるようになります。 症状が深刻になると最悪の場合、死に至る可能性もあります。 少しでも症状が軽いうちに専門機関を受診して、適切な処置をしてもらうようにしましょう。
赤ちゃんや子供でも発症の恐れがあるため、注意して様子を観察してください。
また、喘息を患っている人は症状がより重くなったり、犬アレルギーが喘息の引き金になることもあります。
犬を飼う前に一緒に暮らす家族全員で犬アレルギーの検査を受けるのがおすすめです。 検査方法は2種類あります。
針などで少し傷つけた皮膚にアレルゲンを垂らして、15~20分放置し反応を確認する方法です。
アレルゲンを垂らした皮膚が赤み、かゆみ、腫れなどの症状が出ると犬アレルギーと診断されます。 この検査方法は血液検査ができない小さな子供も受けることができます。
少量の血液を採取した後、その血液に「IgE抗体」というアレルゲンが体内に入った時に作られる抗体がどのくらいあるのか検査する方法で、採取した血液とアレルゲンを混ぜて抗体を確認します。 この時IgE抗体の数が多ければ多いほど、犬アレルギーを引き起こす可能性が高いといえます。
症状の重さによって異なりますが、同じ空間にいるだけ、少しの触れ合いだけでも重度の症状が出る場合は飼うことを諦めなければなりません。 しかし、初期症状のような軽度な症状であれば十分に対策することで犬を飼うことも可能です。
犬と犬アレルギーの人間の暮らすスペースを分け、可能な限り接触を減らしましょう。 特に人間の寝室へ犬の出入りは絶対に禁止。 1日の中でも睡眠時間は長く、寝ている間は特に無防備で症状が悪化しやすいためです。
寝室と同じく人の使用頻度の高い部屋での飼育は避けるべきですが、スペースを分けることでリビングでも飼育は可能なことがあります。 犬用のケージやサークルでスペースを分けて飼育しましょう。
犬の毛やフケなどにあるアレルゲンが空気中に舞い、それを吸い込むことでアレルギー症状が出ます。 窓を全開にし掃除機をかけて、アレルゲンが室内にこもらないよう注意しましょう。 ポイントは犬のいる部屋だけでなく、家の中全体を掃除、換気することです。
この時、忘れやすいのがクッションやぬいぐるみなどの布製品。 アレルゲンがたまりやすいため、しっかりと掃除機をかけましょう。 犬が暮らす部屋で空気清浄機を稼働させることも効果的です。
犬を清潔に保つことがアレルゲンを除去するのにもっとも有効です。
週2回のシャンプーでアレルゲンのほとんど除去できるという研究結果もありますが、過度なシャンプーは犬の肌にも負担となります。 そこでおすすめなのが濡れタオルで拭くこと。 これだけでもかなりのアレルゲンを落とせるので、普段は濡れタオルで軽く拭く程度に留めましょう。
また、毎日ブラッシングして、汚れや抜けた毛を落とすようにしましょう。 この時室内でブラッシングをしてしまうとアレルゲンが舞い上がるので、必ず外でブラッシングするようにしましょう。
そのほかでは、犬の尿にもアレルゲンが含まれているためペットシーツはできるだけすぐに取り替えるようにしてください。
犬の唾液にもアレルゲンが含まれます。 犬がなめた部分が赤く腫れたり、かゆくなることもあるためこまめに手を洗って予防しましょう。
また、傷口などから唾液が入ると重度の症状が出やすいため、かならず絆創膏やガーゼで隠すようにしてください。
犬アレルギーに対する特効薬はなく、現れた症状を処置する対症療法がメインです。 基本的には食事と運動で免疫を強化することが大事です。特にミネラルを豊富に摂取するとアレルギーには良いそうです。
減感作療法とは、体内に低濃度のアレルゲンを入れ、徐々に濃度をあげることで体をアレルゲンに慣れさせる治療法です。
ただ、この療法でアレルギー反応がなくなる人もいれば、全く効果のない人もいます。 長い時間をかけて行う治療で、間違えれば強いアレルギー反応が出てしまう場合もあるため、必ず医師の指示に従って行ないましょう。
今回は犬アレルギーの症状や対処法をご紹介しました。
犬を飼う前には必ず犬アレルギーの検査を行いましょう。 そして、その時もし大丈夫でも将来的に発症してしまったらどうするか、ぜひ真剣に考えてみてください。
万が一発症してしまっても、しっかりとした対処を行い、正しく向き合うことで症状を緩和することはできます。
どうか飼い主の病気で居場所を失い、不幸になる犬がでないようよろしくお願いいたします。