愛犬に目ヤニがたくさん付いていたり普段よりよだれが多いと心配になりますよね。 でも、どこまでが正常でどこからが異常なのか素人では区別が難しいもの。
愛犬に目ヤニがたくさん付いていたり普段よりよだれが多いと心配になりますよね。 でも、どこまでが正常でどこからが異常なのか素人では区別が難しいもの。
今回はどんな状態が正常でどんな状態が異常か、どうなったら病院に行くべきかの見分け方をご紹介します。
目ヤニは不要になった細胞や老廃物などから作られるもの。 通常であれば、涙やまばたきにより自然と目頭に流させますが、睡眠時はこれらの動作がないため、起床時に目ヤニが溜まる傾向にあります。
そして、よだれは主に食事の消化を助けたり、体温調整などの役割を果たします。
犬も人間と同じようにいい匂いを嗅いだり、食べ物の味や食感を認知したりすると脳から指令が出て唾液が増えます。
もう一つ大きな役割としては、犬は人間のように汗による体温調節はできません。 代わりに口を開けてハァハァとする呼吸「パンティング」によって体内の熱を放出しています。 走ったあとや暑いときによく見られる光景ですね。
また、唾液は抗菌作用のある物質を分泌し、歯周病菌の繁殖予防、初期の歯周病を治す作用もあります。
次の症状が見られたら、病気の疑いあり。
素人目には病気の判断は難しいため、すぐ病院に連れて行ってあげましょう。
「結膜」は白目の表面の粘膜のことで、外界と接しているため外からの刺激を受けやすく、炎症を起こしやすい部分。 ウイルスや細菌感染によって結膜が炎症を起こすと赤く腫れたり、濃い黄色や黄緑色の目ヤニが出ます。 痒みが出て床にこすりつける動作が見られるため注意して観察してあげてください。
「角膜」とは、白目の粘膜の「結膜」に対して黒目の表面の粘膜のこと。 パグやシー・ズー、ブルドッグなどの短頭種は家の中で遊んでいるだけでもおもちゃで角膜を傷つけてしまうことも。
角膜炎は痛みを伴うため涙を流し、目ヤニの量が増えます。 放っておくと角膜に穴が空き失明してしまう可能性もあるため、早急に病院で診察を受けましょう。
まつげが眼球に刺さるように生えているとチクチクと刺激になり、涙や目ヤニの量が増えます。 毛穴の向きを変えることは出来ないため定期的に病院で抜いて貰う必要があります。 素人が自分で処置すると誤って眼球を傷つけることもあるので必ず病院でレクチャーを受けるようにしましょう。
先程の短頭種等は目が飛び出た構造なのでまぶたがしっかり閉じずらく、ドライアイになりやすいと言われています。 目が乾くと瞬きの回数が増え、結果涙や目ヤニが増えます。
まぶたの縁の粘膜部分で皮脂を分泌するマイボーム腺と呼ばれる部位がウイルス感染し、化膿してしまう「麦粒腫」、通称ものもらい。 まぶたが赤く腫れ、痛みにより涙や目ヤニが増えます。
前述の通り、犬は健康な状態でも多くよだれを分泌するため「よだれが多いから病気」となることは多くはありません。
もちろん、病気のサインである場合もありますが、犬の場合「生理的なよだれ」と「病的なよだれ」の見極めが難しく、よだれと共に他の症状を見つけることで病気のサインを判断することが多いです。
一概には言えませんが、次の症状が見られたら、歯周病菌などの口自体の問題、神経の異常、唾液を分泌する場所の異常、消化管の異常が考えられます。
こちらもすぐ病院に連れて行ってあげましょう。
口の中の異常で特に多いのが歯周病。
犬は人より口内のpH値(酸性度)が高いため虫歯にはなりにくくなっています。 しかし、食後に食べカスをそのままにしていると約3日間で歯石へと変化し口内環境を侵し始めます。 この歯石を放置するとどんどん大きくなって歯全体を歯石が覆うようになり、ものすごくきつい臭いがします。
ここまで来ると自宅での対処は難しく、動物病院で歯石除去手術を受けなくてはなりません。
また、歯周病の細菌は血液中に入り込み、最悪の場合心臓病を引き起こす原因にもなります。
よくあるのがてんかん発作の前兆でよだれが増えます。
てんかんは若年でも発生し、特にチワワに多いです。 眼球が左右に揺れ、ぼーっとしているようなときは注意が必要です。 発作の頻度が多い場合、脳へのダメージが大きいため日常的な服薬が必要です。
唾液を生産している「唾液腺」や消化器系に異常が起きている場合によだれが増えるケースがあります。
目ヤニは目で見て確認できる一番の病気サイン。 目を地面にこすりつけたり、手や足でかいていたり、目をしぱしぱしているときは気をつけて見てあげましょう。
一方、よだれは健康状態に関係なく多い場合もあるのでそこまで神経質になることはありません。 ただし、臭いがきつい場合や様子がいつのもの違う場合、病気のサインである可能性もあります。 専門家でないと見分けることは難しいため、手遅れになるまえに動物病院を受診してください。