雄大な自然と歴史遺産、そしてたくさんの野生のうさぎが暮らす島「大久野島(おおくのしま)」をご存じですか? 広島県にあるその島は、約700匹の野生のうさぎが生息することから「うさぎ島」とも呼ばれています。
雄大な自然と歴史遺産、そしてたくさんの野生のうさぎが暮らす島「大久野島(おおくのしま)」をご存じですか? 広島県にあるその島は、約700匹の野生のうさぎが生息することから「うさぎ島」とも呼ばれています。
この島のうさぎたちは自然の中で暮らしながらも人に慣れている子が多く、うさぎ好きにとっては楽園のような場所として知られています。 最近では温泉施設やキャンプ場も整備されリゾートも楽しめるうさぎ島ですが、実は歴史上とても暗い過去がある場所でもあります。
今回はいま注目のうさぎ島についてご紹介します。
うさぎ島こと大久野島は、瀬戸内海に浮かぶ周囲4キロメートルの小さな島です。 昔、この島に市内から持ち込まれた8匹のうさぎが放たれ、現在まで頭数を増やし続けた結果、世にも珍しいうさぎの楽園となりました。
なお、この島には民家がありません。 人々から干渉されることなく伸び伸び暮らしてきたおかげで、独立したうさぎ社会がつくられました。
この島にいるうさぎは「アナウサギ」という種類で、地面に穴を掘って巣を作り、複数のメスと1匹のオスが群れ作って生活します。 春や秋には巣穴から子うさぎが顔を出す姿が見られ、写真家たちの間でも人気のあるスポットとなっています。
かつて大久野島はいくつかの家が農業を営んでいるのみの小さな島でした。 しかし、続く不況から島民たちは町おこしの一環として軍の誘致を行います。 その後、誘致は成功したものの、島民たちさえ軍が一体何の施設を作っているか知らないままでした。
軍が大久野島に作っていたのは、毒ガス兵器を製造する工場でした。 離島のため万が一毒ガスが漏れてしまっても被害が少なく、島民も少ないため機密を守る上でも好都合でした。
しかし、毒ガスによる兵器は国際法に禁じられています。 いつしか兵器の開発は中止され、毒ガス兵器を開発していた事実を闇に葬るため、大久野島は存在しないものとして地図から抹消されてしまいました。
それから時は経ち、大久野島は「休暇村」という国立公園に生まれ変わります。 現在のうさぎたちの子孫が放たれたのはその頃です。
今でも大久野島では毒ガス製造に関わる施設や資料館の見学をすることができます。
うさぎ島に行くには、忠海港(ただのうみこう)からフェリーに乗る必要があります。 忠海港の最寄り駅であるJR忠海駅までは広島バスセンターから高速バスで約90分、JR広島駅から電車やバスを乗り継いで2時間30分ほどかかります。 そして、忠海港から約15分フェリーに乗るとうさぎ島に到着です。
詳しいアクセスやフェリーの時間は忠海港公式ホームページをご覧ください。
大久野島にいるうさぎたちとの楽しみ方、注意点をご紹介します!
エサを持って行けば立ちどころにうさぎたちの人気者に! わらわらと群がるうさぎたちの愛らしい表情を間近で見ることができます。 ただし、島内にエサを売っているお店はありません。
大久野島に行く際はキャベツやにんじんなど、うさぎが食べられる野菜を準備しましょう。 もちろん、パンやお菓子など人の食べ物はあげてはいけません。
うさぎのモフモフとした体を見るとついつい抱っこをしたくなりますが、抱っこの仕方が悪かったり、落としたりすると骨折することがあるので禁止されています。
けれど、うさぎに埋もれることは可能です! まず、うさぎたちの近くに寝そべりエサで自分の体の上に誘導します。 運が良ければ、群がるたくさんのうさぎたちが乗ってくれることもあるのだとか。 うさぎたちのお腹が空いている午前中だと成功率が高まるそうです。
うさぎたちは島の自然の中で自由に生活しています。 巣穴で親子がくつろぐ姿や、兄弟喧嘩をする姿、木陰で寝そべる姿など、なかなか見ることができないうさぎの生活を垣間見ることができるのです。 ぜひお気に入りのうさぎを見つけて、ラビットウォッチを楽しんでください。
島ではうさぎのためのルールがいくつかあります。 来島する前に確認してくださいね。
島では車に乗ることができません。 広島を車で観光している場合は忠海港に駐車することをおすすめします。
不必要なストレスを与えることで怪我をすることがあります。 お気に入りのうさぎを見つけても、優しく見守ってあげてください。
先ほども説明しましたが、落としたりすると骨折する場合があるので抱っこは禁止です。 うさぎは体を軽くするため「含気骨」という空気を含んだ骨の構造をしています。 身軽な分、驚いたりして飛び上がっただけで折れてしまうこともあります。
人の感覚で大丈夫と思っても、うさぎにとっては大きな負担になる場合があるので、優しく接してあげましょう。
島を訪れる人が増えたおかげで、 うさぎたちへの食べ物が過剰になる時があります。 食べ残しが多い時は与えるのをやめましょう。 カラスなどの天敵を招く原因にもなります。
飼いきれなくなったうさぎを島に放すことは絶対にしないでください。 また、鳥獣保護法により野生の動物を捕獲することは禁止されています。
名残惜しくても、うさぎとの思い出だけ持ち帰りましょう。
たくさんの愛らしいうさぎが住む大久野島の魅力をご紹介しました。 日帰りでも十分に楽しめますが、おすすめは島のホテルでの宿泊。 というのも、宿泊すると人の少ない時間にうさぎたちに会いに行けるので独占できるチャンスです! やはり早朝や深夜など人が少なく、うさぎたちのお腹が空いている時間が狙い目です。
皆さんも是非、次の休みに行ってみてはいかがですか?