「犬も歩けば棒に当たる」。
犬にちなんだ日本のことわざといえば、有名なのがこちら。 「じっとしていないで何かを始めれば幸運に恵まれる」という意味で使われていますね。
「犬も歩けば棒に当たる」。
犬にちなんだ日本のことわざといえば、有名なのがこちら。 「じっとしていないで何かを始めれば幸運に恵まれる」という意味で使われていますね。
実はこのことわざ、アメリカでも同じ意味のものがあることはご存知でしたか?
今回は犬猫にちなんだ日米のことわざをご紹介します。 同じ意味を持っていても表現は少し異なっていたり、犬猫に対するイメージや文化の違いによって独特の表現をするものも。
それではさっそく見ていきましょう。
まずは日米で共通するものから。
冒頭でもご紹介したこちらのことわざ。
英語圏では「棒」が「骨」に変化します。
The dog that trots about finds a bone 駆けまわる犬は骨を見つける
「積極的に行動すれば思いがけない良い事に出会える」という意味が上手く表されていますね。
こちらは、「いつも面倒を見てあげている人から裏切られたり被害を受けたりする」ことを表すことわざ。
英語圏では、
Bite the hand that feeds you 餌をくれる手を噛む
となります。 「餌をくれる人」、つまり「飼い主の手を噛む」ということで同じ意味になります。
猫にかつお節の番をさせたらどうなるでしょうか? ご想像の通り、このことわざは「間違いや失敗の起こりやすい状況、油断できない危険な状態」を指して使います。
英語では、「かつお節」が「ラード(豚脂)」に変わり、
Send not a cat for lard 猫にラードを取りに行かせるな
となります。
日本人にとって犬は友達であり良きパートナー。 日本のことわざでも、そんな犬に対するイメージが反映されたものがたくさんあります。
一方、英語のことわざに登場する犬は、気の毒でかわいそうなイメージがつきもの。 海外から見ると日本人の犬に対するイメージの方が実は珍しいものなんです。
ここからは英語圏での犬や猫にまつわることわざをご紹介しましょう。
「day」という単語には「良い日」という意味もあるため、直訳すると「どんな犬にも良い日はある」というような意味になります。 これは「犬でさえ良いことは起こるんだから、どんな人にも成功のチャンスはある」ことを表す言葉。
どれほど犬が不遇なイメージを持たれているか分かりますね。
直訳すると、「犬の方へ行く」。 実はこのことわざ、「財産や地位を失って落ちぶれる」という意味。
みじめな状態を表現するのに犬を使うなんて、犬が不憫でなりません。
日米での犬のイメージにはややギャップがありましたが、なんと猫については共感できるものがたくさんあります。 文化は違えど、猫に対するイメージは変わらないんですね。
訳すと、「猫がどこへ跳ぶか見てみよう」となります。
気まぐれで、次に何をするのかも読めない猫。 そんな猫の行動を観察することから、「事の成り行きを見守る、日和見する」という意味で使われます。
訳すと、「猫の群れのよう」となります。
こちらは、「無理な仕事、不可能なこと」という意味のことわざで、「大勢の人をまとめたり組織したりするのが難しい」という意味で使います。
「何匹もの自由気ままな猫を集めてまとめるのは不可能」という現実から生まれたことわざです。
中には、意味が同じでも登場する動物が違うものも。 犬猫が出てくることわざを2つご紹介します。
こちら日本のことわざで「何かにつけて争うほど、とても仲が悪い」という意味。 英語では、「猿」ではなく「猫」が登場します。
Fight like cats and dogs 犬と猫のように争う
「犬猿の仲」ではなく、「犬猫の仲」と表現するんですね。
「どんなに高価なものでも、その価値の分からない人にあげたのではなんの役にも立たない」という意味のことわざ。
英語では、
Cast pearls before swine 豚に真珠を投げる
と言います。
「豚に真珠」は、日本でも使われているのでご存知の方も多いはず。 もともとは英語のことわざでしたが、日本語に訳され日本にも広まったようです。
ことわざは、人の生活や仕事、人付き合いの中から自然に生まれてきた言葉。 文化や習慣が異なれば、そこから生まれる言葉も変わるのは納得ですね。
今回ご紹介しただけでなく、日米にはまだまだ動物にちなんだことわざがたくさん。 表現の異なることわざを見つけて文化を学ぶのもおもしろいかもしれませんね。