「動物虐待かも」と思ったら。虐待になる行動と発見した時の通報先

犬や猫など私たちと暮らす動物たちは、安らぎや喜びを与えてくれる「家族」のような存在ですが、残念ながら今も彼らに対する「虐待」は後を絶ちません。
今回は、もしあなたの周りで「もしかしたら動物虐待かも知れない」と思わせる何かが起こった時、まずできることをご紹介します。
動物虐待とは
動物虐待とは、愛護動物(哺乳類、鳥類、爬虫類)を不必要に苦しめる行為全般をいいます。
虐待の考え方として次の2つがあります。
意図的虐待
「意図的虐待」とは、言うなればやってはいけない行為を行うこと。
- 殴る、蹴るなどの暴力
- 故意に怪我をさせる
- 動物を戦わせる
- 過度に働かせる
- 恐怖を与える
などが意図的虐待に当たります。 虐待の事実が見えやすい反面、より悪意の明確な虐待といえます。
ネグレクト
意図的虐待とは対照的にやらなければいけない行為をやらないのがネグレスト。
- お世話をしない
- 病気・けがの治療をしない
- 健康管理をしない
などがネグレストに当たります。 ネグレストは無自覚に行われる虐待であり、知識不足などから気づかないうちにネグレストに繋がっている場合もあります。
ただし、「動物を飼育する」ということは命を背負うことに他ならず、常に知識と学び続ける姿勢を求められる一大事。 「知らなかった」では済まされるはずがありません。
動物虐待は犯罪?
結論から言うと、動物虐待は歴とした犯罪です。 動物の愛護及び管理に関する法律で罰則が定められており、平成25年の改正により違反者への罰則がさらに厳しくなりました。
これにより、
- 愛護動物をみだりに殺したり傷つけたりした人は、2年以下の懲役または200万円以下の罰金
- 愛護動物に対し、えさや水を与えず衰弱させるなど虐待を行った人は、100万円以下の罰金
に課せられます。
動物虐待の例としては、
- 餌が少なく、骨が浮き上がるほど痩せている
- えさを入れ替えず、腐っていたり、固まっていたりする
- 水入れがなく、いつでも新鮮なお水を飲むことができない
- 長毛種の犬猫が手入れをされず、毛玉に覆われている
- 爪が長く伸びている
- つなぎっぱなしで散歩にも連れて行かず、フンがたまっている(犬の場合)
- 病気や怪我をしているにもかかわらず治療しない
- リードが短すぎて、身体を横にできない
- 首輪がきつすぎてのどが締めつけられている
- 動物に対し殴る、蹴るなどの暴力を与える
- 人による傷が絶えない
などが挙げられます。 もしこのような特徴の動物を見かけたらよく気にかけてあげてください。
動物虐待を見つけたら?
あなたの周りで動物虐待を見つけたら、
- 警察
- 自治体の保健所
- 動物愛護センター
に迷わず通報してください。 また、虐待されている動物を保護した場合もまずは警察に連絡してください。
動物虐待をしている飼い主の中には、犯罪が明るみに出ないよう警察に事実をひた隠しにする人も少なくありません。 可能であれば危険のない範囲で写真や動画を残しておくと捜査がスムーズに進むでしょう。
しかし、多くの動物虐待は屋内などで人知れず行われています。 もし決定的な証拠がなくても、
- 虐待の現場は見ていないが、弱っている動物がいる
- 虐待かはわからないが、フンや尿の悪臭がひどい
など、少しでもおかしいと感じたら各自治体の保健所や動物愛護センターへ連絡しましょう。
動物虐待をなくすために私たちにできること
2018年は動物虐待に関する事件の検挙数が過去最悪の68件にのぼり、5年連続の増加傾向にあります。 それでも、明るみに出ている動物虐待はごく一部にすぎません。
動物たちは自分の言葉で助けを求めることができません。 もしあなたが動物からのサインを感じ取ったなら、ぜひ勇気を出して通報し、悪質な飼い主から動物を救う手助けをしましょう。
- Updated on 2025.02.11
- published on 2018.11.28