ペットを売らないペットショップ?

一般的にペットショップとは、ブリーダーからペットを仕入れて販売するお店ですが、岡山県にある「シュシュ(chou chou)」というお店はちょっと違います。 ここではペットの販売は行いません

その代わり、NPO法人と協力して保健所などで殺処分を待つ犬を保護した上、希望者に譲渡してるんです。

しかも、希望者がペットを引き取る際は一切お金を受け取っていません

保護活動の費用はどこから?

保護から飼育、譲渡までをすべてお店の負担で行っていることは、間違いなく素晴らしいことです。 ただ、そうなると気になるのは経営面。 身を削った挙句に負担に耐え切れず潰れてしまっては、また新たな問題が生まれてしまいます。

そこは心配ご無用! シュシュはペットグッズの通販サイトを運営しており、売り上げの5パーセントを里親探しに充てることで運営されています。

ペットを売らないペットショップ シュシュ

サイトを見てみるとフードやウェア、ケア用品など幅広く取り扱っており、種類も豊富。 また、保護活動応援グッズとして購入した商品を愛護団体に直接届けてるサービスも行っています。

ペットを飼っている人もそうでない人も、保護活動に興味があればぜひ一度覗いてみてください。

シュシュからの里親になるには?

シュシュから保護犬、保護猫を引き取りたいと思った場合、一般的なペットショップと異なり引き渡しの条件があります。

まず、希望者の自宅をスタッフが訪問し、飼育場所として適しているか判断します。

それから実際に一週間ほど希望の保護犬、保護猫と暮らしてみて、問題がなければ、狂犬病予防や混合ワクチン接種、自治体での登録などを済ませた上で引き渡しとなります。 ただし、半年に一度のペースで近況報告が必要なためご注意ください。

また、引き渡しまでにかかる飼育費用はすべてシュシュが負担してくれますが、ワクチンなどの費用は引き取り手が負担しなければなりません。

ペットを売らなくなったのはなぜ?

シュシュも最初は通常のペットショップと同じように生体販売を行っていたそうなのですが、保護犬や保護猫についての問題意識を持つようになり「他店と違う形で新しい家族を提供できないか?」と考えはじめたそう。

それから、生体販売を行っていたケージを処分、成犬でも過ごせる広さの部屋を準備し、行政からの視察を経てボランティア施設として登録。 保護犬、保護猫を迎えて譲渡する、という今の形態のお店となりました。

日本の殺処分の現状

近年、このような里親活動の幅が広がったこともあり、全国の犬と猫の殺処分数は右肩下がりに減少し、返還・譲渡数は増加傾向にあります。 驚くことに、シュシュがある岡山市では、平成29年度に自治体で保護された犬169頭中167頭、つまり約99パーセントは返還、または譲渡されています!

一方、全国の犬と猫の殺処分数はいまだ約4万3,000頭(平成29年度時点)。 引っ越ししたから、仕事が忙しくなったから、体が大きくなったからなど、さまざまな理由でペットを手放す人がいるのが現状です。

ペットを飼ったら最後まで面倒を見ることは常識です。

少しでもペットを手放す可能性があるなら安易に飼わないこと、そして安易に売らないことが大切ではないでしょうか。 シュシュのようにペットと人をつなぐお店が増えて、日本の殺処分数がゼロになる日が来ることを切に願います。

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