今やホームセンターなどでも市販されている「猫草」。 猫の飼い主さんなら一度は購入したことがあるのではないでしょうか。
背が低くて細長く、幅の広い葉が特徴の植物です。
今やホームセンターなどでも市販されている「猫草」。 猫の飼い主さんなら一度は購入したことがあるのではないでしょうか。
背が低くて細長く、幅の広い葉が特徴の植物です。
今回はそんな猫草の効果やあまり知られていない注意点などをご紹介します。
猫草として市販されている植物のほとんどは、燕麦(えんばく)と呼ばれるイネ科の若葉です。 この燕麦の別名が「オートミール」でおなじみの「オーツ麦」。 また、「ペットグラス」や「カラス麦」と表記されることもあります。
オーツ麦以外には、
などもまれに猫草として販売されます。
これらすべてに共通しているのはイネ科の植物ということ。 これは猫が口に入れるにあたって、イネ科の植物が比較的安全だからだそうです。
猫が猫草を食べる主な目的は、「毛玉を吐くため」と言われています。
猫は全身を舐めて毛づくろいをするため、抜けた毛はそのまま飲み込まれ、胃の中に溜まることに。 そこで、猫はイネ科の尖った葉を取り込んで胃を刺激し、溜まった毛を体内から排出しています。
まれに「肉食とはいえたまには野菜(猫草)も食べないと食生活が偏る」と捉えている方がいるようで、実際に「ベジタブル」「サラダ」などを商品名にした猫草もあるようですが、あくまで猫草は嘔吐のきっかけのための比較的安全な異物にすぎません。 猫たちと私たちとではまるっきり食性の違う生き物のため、誤解のないよう注意しましょう。
猫を飼っていると、猫草は定期的に必要になるもの。 とはいえ、できるだけ費用を抑えたいという飼い主さんも多いのではないでしょうか。
そんな時は、多くの「イネ」科の植物で代用できます。 ただし、雑草を与える場合は、生えている場所に除草剤等がまかれていないか十分に注意してください。
以下では比較的入手しやすい代理猫草、イネ科の植物をご紹介します。
柑橘系の香りにも関わらず、猫が好んで食べるとして有名な「レモングラス」はやはりイネ科。
ただし、レモングラスから精製されたアロマオイルは猫にとって有毒となるため、与えるのはあくまで植物のレモングラスです。
猫好きなら知らない人はいない通称「猫じゃらし」はやっぱりイネ科。 猫草として代用する場合、与えるのは「毛虫」のような部分ではなく若葉に限ります。
街中でもよく見かけるイネ科の一年草「メヒシバ」。 こちらも猫草として与えるのは放射状に広がる穂の部分ではなく、若葉のみです。
猫草を好んで食べる猫もいますが、もちろんそうでない猫もいます。
「それだと体内の毛は……」と不安になるところですが、心配はご無用。 猫が毛づくろいで飲み込んだ毛は、通常であれば便と一緒に排出される仕組みになっています。
それでも不安な場合は「毛玉ケア」用のキャットフードを与えるという方法もあります。
ただし、本当にベストなのは「体内に毛玉を貯めこまず、体に負担をかけてまで嘔吐しなくてもいい環境」を作ること。 身体を舐めた猫が必要以上に毛を飲み込まないよう、日頃からこまめにブラッシングしてあげることです。
今回は猫草の本当の名前や効果、代用できる身近な植物をご紹介しました。
猫草は毛玉を吐き出すために必要なものですが、本来肉食の猫が口にしないある種の異物でもあります。 薬ではありませんが、容量、用法を守って正しく処方してあげましょう。