最も飼育数が多い「柴犬」や某携帯会社のCMでおなじみの「北海道犬」、そして、

• 秋田犬
• 甲斐犬
• 紀州犬
• 四国犬

計6種類の「日本犬」がいます。

その中でも、今回ご紹介するのはロシアのトップスケーターであるアリーナ・ザギトワ選手に贈られたことでにわかに注目を集めた「秋田犬」についてご紹介します。

秋田犬とは？ ハチ公でおなじみの東北生まれ

三角の耳、くるっと丸まった尾が特徴の秋田犬は「あきたいぬ」と読みます。

体高はオスが約67cm、メスが約61cmの大型犬。 毛色は赤、虎、白、胡麻があり、白以外はお腹やあご下、手足の先が必ず白色と定められています。

東北地方の犬ということもあり、立派な毛に覆われた寒さに強い犬種で、渋谷の待ち合わせスポットとしておなじみ「忠犬ハチ公」も秋田犬として知られています。

第二次世界大戦を生きのびた秋田犬の歴史

秋田犬の祖先は江戸時代に狩りの目的として使われていたマタギ犬を交配することで生まれました。 当時は闘犬として飼われ、より強くなるよう土佐犬などの大型犬と交配し、だんだんと大きな体になります。

しかし、明治時代の終わりに闘犬が禁止されると秋田犬の数はみるみる減り「保存するべきだ！」という声で昭和初期に「秋田犬保存会」が設立。 それから数年後、日本初の「生き物の天然記念物」に指定されました。

これで秋田犬も安泰、と思いきや第二次世界大戦勃発で軍用犬のジャーマン・シェパード以外の犬種は防寒具の毛皮目的で乱獲されはじめます。 それでも、なんとかして秋田犬を残そうとする有志はジャーマン・シェパードと交配させて軍用犬を装ってみたり、あるいは犬ともども疎開するなどの涙ぐましい努力あってついに終戦。

そこから少数の秋田犬をもとに、改めて現代の秋田犬が作出されました。

秋田犬の飼い方

秋田犬はもともとが狩猟犬ということもあり、たくさんの運動が必要な犬種です。 体力を持て余すことのないよう1日1時間以上の散歩が望ましいでしょう。

また、個体によっては最大50キログラム前後まで成長する子もいます。 いざという時はしっかりリードを引っ張れる覚悟と、体作りも必要です。

また、冷静かつ忠実、従順な性格ではありますが、やや神経質な一面もあります。 幼い時から上下関係を教え、コミュニケーションをとりながら信頼関係を構築することが大切です。

適切に訓練することであなたにとって最良のパートナーとなってくれるでしょう。

いま世界中で日本犬が大人気？

秋田犬をはじめとする日本犬たちは今や世界的に大人気。 なかでも秋田犬は、2009年に公開されたリチャード・ギア主演の「HACHI 約束の犬」でじわじわと知名度を上げ、2012年には東日本大震災に際して多大な支援してくれたプーチン大統領に秋田犬「ゆめ」が贈呈されたことで人気に火が付きました。

見た目のかわいさはもちろん、何よりその勇敢な闘犬気質と、その強さを鼻にかけず飼い主に忠義を尽くす様が「まさに日本のサムライ！」として受け入れられているようです。

しかし、そうしてもてはやされる一方で飼育放棄される日本犬が増えているという現状もあります。 日本犬の多くは闘犬としての本能を少なからず残しており、適切にしつけをできなければ手が付けられなくなる危険性を孕んでいます。

飼ってみたい、と思ったら飼育できる環境がきちんと整っているかもう一度しっかり考え、覚悟を持った上で家族に迎えてくださいね。