昔は猫は「ねこまんま」、犬は人間の残飯と、与える餌はほとんどが人間の食べ物でした。 流石に最近になっても、そうした食事を与える飼い主さんはほとんどいないでしょう。
昔は猫は「ねこまんま」、犬は人間の残飯と、与える餌はほとんどが人間の食べ物でした。 流石に最近になっても、そうした食事を与える飼い主さんはほとんどいないでしょう。
犬の食性は本来は「肉食」です。 飼っているワンちゃんが食欲を失った時に、ペットショップに行くと大概は缶詰を勧められます。 子犬の場合は少し温めてから与えると良いなどとアドバイスされるはずです。
しかし、食欲のある健康的な状態の時に、あまり多くの缶詰での食事を多くすることは犬の健康上あまりよくありません。
インターネットではよく「犬は雑食性」と平気で書かれていることが多いのですが、完全な誤りです。 それは犬の歯を見ればわかりますが、穀物などを砕くために使われるはずの臼歯は、犬の場合は、ほとんど未発達で、臼歯は先が尖っていて、口を閉じても噛み合うことはありません。 すりつぶすことが不可能ですから、ほとんど食べ物を引きちぎり、噛み砕いて飲み込むようにできています。
牛や馬などの草食動物は人間と同じく臼歯で食べ物をすり潰しますが、犬や猫は額関節が横へ動くことができないのです。 犬用フードの中にはライス、つまりお米(玄米)を配合している餌がありますが、アレルギー用とされてはいるものの、本当はアレルギーは缶詰や、安い飼料の化学添加物の影響がとても大きいですね。
肉食動物の殆どは獲物を捉えると、必ず内臓から食べるといわれています。 草食動物が食べてある程度消化したものを口にすることで、栄養のバランスを保っていたわけですね。 ですから植物由来のものは与えてはいけないというわけでなく、犬用に調整された機能食品を与えたほうが良いということです。
その意味では人間の残飯などはもってのほかです。
※BSEの影響で、植物由来の原料での飼料の消化率などを研究した報告では、依然として植物由来でも蛋白質の消化吸収が高いとされているそうです。
販売されている缶詰の多くは、まず人工的に「匂い」を強くしたものが多くあります。 某有名な老舗大メーカーのロングセラーは、人間が匂いを嗅いでも美味しそうな匂いがすると言われるほど。
実は犬は嗅覚で食事をする動物。味はあまり関係ないんです。
犬の味覚は単純で、塩味か甘さ程度の区別しかなく、出汁の風味などは、ほとんど区別がないとされています。 実際に、味の濃い食べ物を与えてもドライフードに慣れたワンちゃんは、人間の食べ物を置いても、あまり興味がない場合が多いです。
余計なものを口に入れてしまうのはお腹が減っているか、食糞と同じく何かのストレスから来ることが多く、決して「美味しいから」食べているわけではないようです。
もう一つ缶詰のあげすぎの弊害が、食糞です。
犬の悪習慣に、自分の糞を食べる子がいますが、大体は一度食べた時に、糞に缶詰などの食べ物の匂いが残っている場合があったりして、子犬から成犬になる過程で食糞が癖になる場合があります。 消化に良いと思われがちですが、中には水分量が多く、加えて脂質が少なく同じ蛋白でも、大豆などを利用している場合は、消化もあまりせずに食べた分の量が変わらず糞として排出される場合もあります。柔らかいものを食べさせると虫歯を気にする人がいますが、実は犬は食事をする際に水を多量に飲みますから、それほど食べかすは口の中に残りません。
むしろ、水を飲んで水分の多い食事を摂りますから、栄養的に心配になりますね。
愛情のためか、色々と食事を工夫しなければ、いつか飽きられてしまうと考える人が多いようです。
しかし、犬が一番嫌うのは「変化」です。
元々群れで生きる狼の血を引いているため、環境の変化、食事の変化には繊細に感じ取ります。 日々の食事をこまめに変えるのはあまり好ましいことではありません。 アイムスやロイヤルカナン、その他の機能性犬用フードを開発しているメーカーでは、食欲の落ちたときや、調子の悪い時に缶詰と混ぜて与えるようアドバイスしていますが、基本は「ドライフードだけで充分な栄養素があります」と説明しています。
ペレットの硬さも年齢別に調節してあり、程よい硬さで噛みごたえも研究されています。 犬の顎の力は、ワンちゃんの寿命にも無関係ではありません。