日本は安全? 世界の狂犬病最新事情

日本に暮らしているとあまりピンとこないかも知れませんが、実は世界規模で見ると毎年5万人以上の方が狂犬病で亡くなっています。
国内では50年以上にわたり発症がなく、狂犬病による死者もいません。
しかし、ここ数十年で狂犬病予防接種の接種率が低下していることは問題視されています。
一方で、日本を除くアジア圏をはじめ、世界の多くの地域では今もなお深刻な状況が続いています。
海外旅行やペットの輸出入を考えている方は、狂犬病の現状とリスクを正しく理解し、適切な対策を講じることが重要です。
狂犬病の致死率は99%
狂犬病は、**発症後の致死率がほぼ100%**といわれる極めて危険な病気です。
感染経路は、すでに狂犬病ウイルスに感染している犬や他の動物に咬まれたり、唾液が傷口や粘膜に触れることで起こります。
日本では狂犬病を発症した犬が確認されていないため、国内での感染リスクはほぼありません。
しかし、海外では今も多くの発症例が報告されており、いつ日本にウイルスが持ち込まれてもおかしくない状況です。
そのため、日本では狂犬病予防注射が法律で義務付けられています。
犬を飼う際は、必ず年に1回接種を行いましょう。
接種は動物病院や自治体が開催する集団接種で受けられるため、かかりつけの動物病院などに相談すると安心です。
海外では野良犬に触れてはいけない
海外旅行に行くと、街中でのんびり暮らす野良犬をよく見かけます。
人懐っこく寄ってくる犬も多く、つい撫でたり、食べ物を与えたりしたくなるかもしれません。
しかし、これらの犬が狂犬病ウイルスを持っている可能性もあります。
また、食べ物を与えることで他の犬が集まり、その中に感染している犬が混ざっているかもしれません。
実際、日本国内で確認された狂犬病患者は、いずれも海外で犬に咬まれて感染した事例です。
2023年には、フィリピンで犬に咬まれた男性が帰国後に発症し、死亡したケースも報告されました。
海外に行く際は、現地の犬にむやみに触れない、餌を与えないといった基本的な予防策を徹底しましょう。
海外では狂犬病予防が日常的に行われている
日本では動物病院で狂犬病ワクチンを接種しますが、海外ではスーパーマーケットや薬局で狂犬病予防薬が販売されている国もあります。
これは、飼い主に予防を徹底させ、狂犬病の拡大を防ぐための対策です。
このことからも、海外では狂犬病が身近で深刻な問題であることがわかります。
「日本では発症がないから大丈夫」と油断せず、海外での行動には十分注意しましょう。
愛犬と海外旅行する際の注意点
愛犬を海外に連れて行く場合も、狂犬病対策は必須です。
出発前に、日本で必要な予防策をしっかり済ませましょう。
また、現地ではむやみに他の犬と接触させないことも大切です。
特にドッグランや公園では、感染リスクがある犬と接触しないよう気をつける必要があります。
帰国時には、日本の動物検疫所のルールに従い、必要な手続きを行うようにしましょう。
国内外の狂犬病状況まとめ
日本では狂犬病の発症例がありませんが、世界では今も多くの死者が出ています。
狂犬病の致死率はほぼ100%であり、発症すると治療法がないため、予防が何よりも重要です。
海外では、野良犬にむやみに触れたり、食べ物を与えたりすることは避けましょう。
また、愛犬と海外旅行する際には、事前の予防策と現地での行動に十分注意が必要です。
狂犬病は「知らなかった」では済まされない病気です。
正しい知識を持ち、愛犬とともに安全な生活を送りましょう。
- Updated on 2025.03.24
- published on 2025.03.24