背中に針をしょったユニークな小動物、ハリネズミ。 その愛らしい表情や仕草からペットとしての人気も年々高まっています。
今回はハリネズミを飼うために必要なグッズや基礎知識をご紹介します。
ハリネズミは夜行性で、もともと昆虫が主食。 野生では群れを作らず単独で生活します。
警戒心が強い反面、活発で好奇心旺盛な一面も。 知らないものを見つけると、なめたりかじったりしてから唾液を針に塗り付ける「唾液塗り」もハリネズミの特徴です。
また、ハリネズミは暑さにも寒さにも弱い繊細な動物。 平均寿命は5~10年といわれています。
ハリネズミ専用のグッズはまだまだ多くありません。 ここでは他の小動物用のグッズで代用できるものも一緒にご紹介します。
ケージはウサギやモルモット用のケージやプラケースなどを使用できます。 床面積は60×90㎝程度が理想的。 衣装ケースを加工して使うこともできますが、熱に弱いのでペットヒーターなどの使用には注意が必要です。
設置場所は、静かで暑くも寒くもない場所を選びましょう。
ハリネズミの飼育環境の床材は、ウッドチップや牧草などが代表的。 かじったり爪をひっかけたりしなければ、ペットシーツでも代用できます。
ハリネズミ用の寝袋や小動物用巣箱、爬虫類用シェルターなどがおすすめ。 タイプの異なるものをいくつか設置したり、暑さ寒さ対策のため季節によって入れ替えたりしても良いでしょう。
ハリネズミが落ち着いて休めるように、寝床はケージの出入り口から遠い隅の方に設置しましょう。
ウサギやフェレット用の小型容器を使用できます。 ハリネズミの生殖器にくっついてしまわないよう、トイレ砂は必ず固まらないタイプを選んでください。
また、トイレは食器や寝床とは離して設置します。
暑さも寒さも苦手なハリネズミに冷暖房は必須。
最もベストな対策はエアコンでケージを置いた室温ごと調整してあげることですが、風が直接当たらないように工夫が必要です。 また、夏は天然石ボード、アルミボードなど、冬はペットヒーターなどを併用してあげましょう。
ハリネズミにとっての適温は24~29度程度。 湿度は40%以下のやや乾燥した場所を好みます。
ハリネズミが実際にいる場所の近くに温度計を置き、適宜温度管理をしてあげましょう。
ハリネズミの爪切りにはウサギなどの小動物用爪切りを使用できます。 人間に近い平爪なので、人間の赤ちゃん用爪切りでも代用可能です。
ハリネズミ用のおもちゃで代表的なものといえば回し車やトンネル。
大人のハリネズミであれば、回し車の直径は30㎝程度を目安に用意してあげましょう。 回し車で遊びながら排泄をすることもあるので、ウェットティッシュなども揃えるといいでしょう。
ハリネズミのフードは夜に1、2回に分けて与えます。 動物性たんぱく質が多く配合されているハリネズミ専用のフードを選びましょう。
偏食だったり新しいフードの味を受け入れにくい子も多いため、普段からいろいろな種類のフードを与えておくのが良いかもしれません。
また、ハリネズミはもともと昆虫を食べる生き物。 主食のほかにおやつとして動物性たんぱく質も与えるといいでしょう。 市販のミールワームやコオロギ、茹でたささみやゆで卵などでも代用できます。
ハリネズミはペットとしてまだまだメジャーな動物ではありません。 いつハリネズミが病気になっても対応できるよう、通える範囲にハリネズミに対応できる動物病院があるか調べておきましょう。
ペットとして長い間人間と暮らしてきた犬や猫と違い、ハリネズミはまだ人との歴史が浅いだけでなく、もともと警戒心が強く、飼育やコミュニケーションも難しい動物です。 ハリネズミが飼い主さんや新しい環境に慣れるまでには時間がかかり、飼い主さんの辛抱も欠かせません。
ですが、慣れると愛らしい表情や仕草で癒してくれるとてもユニークな生き物でもあります。 ハリネズミが早く慣れることができるよう、しっかり準備をしてからお迎えしたいですね。