日本は「ペット後進国」と呼ばれ、動物愛護の面で世界から大きく遅れを取っているといわれています。 今回はペット先進国と呼ばれるスイスとドイツを中心に、ペット福祉に対する世界の取り組みをご紹介します。
日本は「ペット後進国」と呼ばれ、動物愛護の面で世界から大きく遅れを取っているといわれています。 今回はペット先進国と呼ばれるスイスとドイツを中心に、ペット福祉に対する世界の取り組みをご紹介します。
今やヨーロッパ標準といっていいほど浸透した犬の税金「犬税」を世界で初めて法律に組みこんだのがスイス。 この法律は安易に犬を飼おうとする人を抑制する役割を果たしており、納税を怠ると罰金刑に処されます。
また、犬の散歩の際のフンの後始末も法律で義務付けられているため街が汚れることなく、「犬嫌い」を生み出さないことにも一役買っています。
ペット先進国スイスでは犬の飼い主になるために講義の受講が義務付けられており、犬についての基礎知識や飼い方のノウハウ、さらにはトラブルの対処法などを最低4時間みっちり学びます。
さらに、飼い始めてからのしつけ教室、実技テストなども整備されており、飼い主の方は定期的な受講が推奨されています。
また、スイスでは飼い犬や飼い猫へのマイクロチップ装着が義務づけられており、これによって飼えなくなった犬や猫が捨てられることを防ぐだけでなく、行方不明になっても身元確認できるようになっています。
先ほどのスイスから北に隣接するドイツも名の知れたペット先進国。 ドイツでは犬をはじめとする動物たちに「人権」に似た権利が認められています。
さらに、さきほどのスイスと同じく「犬税」が定められており、こちらは飼育する頭数が増えるに従って税金も増える仕組み。 飼育頭数が増えすぎて環境が崩壊してしまうようなケースを抑制しています。
ドイツの条例を見ると、動物を飼うために守らなければいけないルールがたくさん。
例えば犬の場合、
など、犬種や犬の大きさによってすべて定められています。
また、条例に違反した飼い主は「アニマルポリス」によって指導を受け、改善がみられない場合は強制的に犬を取り上げられる制度もあります。
スイスとドイツ、どちらの国でも多くの街に「ティアハイム」と呼ばれる動物保護施設が建てられています。
「ティアハイム」とは「動物の家」という意味。 様々な事情で飼い主が手放さなければいけなくなった動物が保護される施設です。
ティアハイムでは犬や猫だけでなく、ウサギなどの小動物や爬虫類なども保護され、アニマルポリスによって引き取られた犬たちもここで生活しています。
また、ここティアハイムでは保護するだけでなく里親の募集も行い、ほとんどの動物たちが引き取られていきます。 もし里親が見つからなくても殺処分されるようなことはなく、ティアハイムが最後まで面倒をみます。
ドイツでは、飼育頭数によって増減する「犬税」がペットショップにも課されるため、生体販売を行うペットショップは減っています。 スイスでも日本のような生体展示販売は行なっていないため、犬や猫を求める人々はティアハイムを頼ることになり、保護された動物たちに里親が見つかる好循環を生み出しています。
今回はペット先進国として名高いスイスとドイツの取り組みをご紹介しました。
ペット福祉に対する各国の取り組みは他にも様々。 日本も良い面を積極的に取り入れてペット先進国の仲間入りを果たせるといいですね。